内閣府はこのほど、景気ウォッチャー調査の4月分を公表した。同月の現状判断DI(季節調整値)は前月比0・7ポイント増の48・1だった。また先行き判断DI(同)は同0・7ポイント増の48・8だった。「持ち直しが続いているものの、引き続き一服感がみられる。先行きについては、人手不足やコストの上昇に対する懸念もある一方、引き続き受注や設備投資等への期待がみられる」(同調査)。
調査は家計動向、企業動向、雇用など、景気の動向を観察できる業種の人々ら2050人に、「景気の現状に対する判断」「景気の先行きに対する判断」などを聞いたもの。「良い」から「悪い」まで5段階で判断された結果を数値化した。
現状判断DI(3カ月前と比較した景気の現状に対する判断DI)は、家計動向関連(前月比0・7ポイント増の46・9)、企業動向関連(同0・3ポイント増の48・5)、雇用関連(同1・4ポイント増の54・8)全てが上昇。合計で同0・7ポイント増の48・1と、5カ月ぶりに増加した。
家計動向関連では、サービス関連が同0・1ポイント増の49・9と、2カ月ぶりに増加した。
現状判断DIを全国11の地域別に見ると、6地域で上昇、5地域で低下した。最も上昇幅が大きかったのは九州の4・3ポイント増。低下幅が大きかったのは沖縄の4・9ポイント減。
景気判断理由の主な回答は次の通り。
「旅行をしても、平日にもかかわらずホテルは満室である。地元でも人がいないということはない。景気が良い方向に向かっている状況は変わらない」(先行き、不変、東北・タクシー運転手)。
「北朝鮮の動向、ISの動向など、旅行業界的には良い環境ではない」(先行き、やや悪、東北・旅行代理店)。
「当社の取引先宿泊施設関係は、客室稼働率がそれほど高くなってきていない。前年同月と比べても、ほぼ変わらず、横ばいである。外国人客数は、どこのホテルも増えてきてはいるとのことだが、それと比べて国内客はそれほど伸びていない。稼働率、受け入れ人数は、それほど変わってきてはいない」(現状、不変、北関東・人材派遣会社)。
「2カ月先の予約状況から、来客数、団体予約の宿泊・一般宴会ともに前年同月比で数%の増加が見込まれる。食堂等の個人客の動きは読めないが、全社的にはやや良くなる」(先行き、やや良、東海・観光型ホテル)。
「宿泊も、地元の宴会や昼食等で利用は増えているが、景気が良くなっているわけではない」(現状、不変、四国・観光型旅館)。
「外国人観光客に引っ張られている構図は依然として変わらないが、国内の客の動きも手ごたえを感じる」(現状、良、九州・都市型ホテル)。